研究会紹介

日本弱視教育研究会・会長挨拶

会長 柿澤 敏文日本弱視教育研究会
会長 柿澤 敏文

日本弱視教育研究会は、1961年暮れに発足し、1963年に機関誌「弱視教育」を創刊した弱視教育研究会を母体に、弱視教育に関する科学的研究を志す者の連携協力によって我が国における弱視教育の進歩・発展を図ることを目的として、1964年4月に創設されました。2018年4月には設立55周年を迎え、半世紀を超えて活動を続けています。設立50周年目の2013年には「我が国における弱視教育の展開」(あずさ書店)と題した書籍を日本弱視教育研究会企画のもと刊行し、弱視教育の発展の歴史を公表しております。

日本弱視教育研究会の主な事業と致しましては、研究会創設年の1964年より会員の研究促進を目的とする研究全国大会を開催し、第1回大会は大阪にて開催致しました。その後も全国各地で毎年大会が開催され、2018年1月には第59回大会を北海道札幌視覚支援学校を主管校として札幌市にて開催し、200名を超える参加者のもと、熱心な研究情報交流を行いました。来たる2019年1月28日(月)・29日(火)には大阪府立大阪北視覚支援学校ならびに大阪府立大阪南視覚支援学校を主管校として第60回大会を大阪府大阪市にて開催する予定です。また、会員の研究業績その他を掲載する研究誌「弱視教育」の編集及び刊行を行っております。研究誌「弱視教育」は当初、年1巻6号の刊行でしたが、1号当たりのページ数を増す対応に伴い、1986年より年1巻4号を刊行してまいりました。2017年には55巻の刊行にまで至り、通算刊行数は250号余に及びます。研究誌「弱視教育」は、我が国を主体として諸外国をも含んだ弱視教育の進歩・発展の記録を綴る資料として、また、未来の弱視教育のあるべき方向性を探る研究資料として、唯一無二の存在であると言えます。このほか、研究会には会長、副会長とともに、全国盲学校長会ならびに各地の弱視教育研究会より選出された理事と、事務局担当理事、機関誌担当理事、東地区・西地区担当理事、研究担当理事、監事からなる理事会を設置し、時代とともに変化する弱視教育に関わる研究会としての運営指針の検討を推し進めております。

本研究会は、視覚障害、特に弱視のある幼児児童生徒の方々等の自立や社会参加に向けて、教育、心理、保育、医療、保健、福祉、労働などの基礎と実践の専門家を包含した研究団体です。2018年3月現在、512名の方々が正会員として本研究会に登録されており、日々の研究・実践の成果を会員間で共有するべく活動を行っております。近年、我が国におけるインクルーシブ教育やノーマライゼーションの理念の進展とともに、特別な教育・支援の対象となる幼児児童生徒等の障害の概念や範囲が拡がっています。その一方で障害の重度・重複化や多様化が進行しています。こうした中で、「弱視」の状態をもつ幼児児童生徒等はマイナーな存在になりがちで、多様な子供たちや人々の中に埋もれがちにあると言われています。特別支援教育を含むインクルーシブ教育システムにおいて、一人ひとりに丁寧に対応する教育が必要とされている今だからこそ、一人ひとりの状態が異なる弱視の幼児児童生徒等に即した教育の在り方を研究し、提言する専門家からなる研究団体として、今までに増して広く情報共有・情報発信を行っていきたいと考えております。基礎(理論)研究と応用(実践)研究の成果の往還を促進する機会を、本研究会が主催する研究全国大会と機関誌「弱視教育」等で提供することで、日本の包摂的社会の発展に貢献することを目指しております。

このような活動を展開している本研究会に関心のある多くの方々のご入会・ご参加を、心より歓迎いたします。