日本弱視教育研究会・会長挨拶
本弱視教育研究会は、1963年に大阪にて機関誌『弱視教育』を創刊した「弱視教育研究会」を前身とし、1964年4月に全国規模の団体として新たに発足いたしました。そのため、『弱視教育』誌の第1巻第1号から第6号の表紙には「弱視教育研究会」と記され、第2巻以降は「日本弱視教育研究会」と表記されております。
本会の会則には、「弱視教育に関する科学的研究を志す者の連携協力によって我が国における弱視教育の進歩・発展を図ることを目的とする」と定められており、機関誌『弱視教育』の発行と年1回の全国大会の開催が主な活動となっています。『弱視教育』誌は、令和6年度末の時点で通巻第62巻に到達しております。
全国大会については、第1回大会を大阪で開催して以来、毎年継続して実施してまいりました。2020年度には、新型コロナウイルス感染症の第二波以降の状況を鑑み、また本会の会員には教育・福祉・医療に携わる方々が多いことから、オンラインによる研修会という形での開催となりました。2021年度は宮城県立視覚支援学校、2022年度は栃木県立盲学校を主管校とし、いずれもWeb形式での開催となりました。2023年度には広島県立広島中央特別支援学校を主管校として、対面での開催が再開されました。少し先の話ではありますが、2029年度には記念すべき第70回大会を迎える予定です。
2007年の「障害者の権利に関する条約」への署名、そして2014年の批准に至るまで、インクルーシブ教育システムの実現に向けてさまざまな議論や制度整備が行われてきました。たとえば、2013年の学校教育法施行令の改正では、本人および保護者の意向を最大限に尊重し、障害の状態等を踏まえたうえで、総合的な観点から就学先を決定する仕組みが整備され、柔軟な転学も可能となりました。これは、本会が発足した当時と比べて大きな変化といえるでしょう。
2023年度の全国盲学校長会の調査によれば、小学部で墨字教科書を使用して学んでいる児童が459人である一方、文部科学省の「特別支援教育資料」では、小学校の弱視特別支援学級に在籍する児童は425人、弱視通級指導教室で指導を受けている児童は206人にのぼり、弱視児童の半数以上が小学校に在籍している状況が見て取れます。
これまで本研究会は、盲学校(視覚障害特別支援学校)、大学、研究機関等の関係者を中心に構成されてきましたが、今後は小学校や中学校、高等学校の関係者、そして前会長のもとで連携が強化されはじめた医療関係者とも協力しながら、弱視教育のさらなる充実と発展に貢献していきたいと考えております。
今後とも、日本弱視教育研究会の活動に対し、皆様の格別のご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
日本弱視教育研究会
会長 小林秀之
会則
第1章 名称と事務局
- 第1条
- 本会は日本弱視教育研究会と称する
- 第2条
- 本会の事務局は当分の間、国立大学法人筑波大学内に置く
第2章 目的と事業
- 第3条
- 本会は弱視教育に関する科学的研究を志す者の連携協力によって我が国における弱視教育の進歩・発展を図ることを目的とする
- 第4条
- 本会は前条の目的を達成するため次の事業を行う
(1)会員の研究促進を目的とする研究会・講演会等の開催
(2)弱視教育に関する内外諸文献の調査とその紹介
(3)会員の日常の研究活動・実践活動の情報の収集とその紹介
(4)内外における関係諸団体・諸機関との連携
(5)会員の研究業績その他を掲載する機関誌の編集及び刊行
(6)会員が組織運営に関し協議する総会の開催
(7)その他本会の目的を達成するために必要な事項
第3章 組織と運営
- 第5条
- 本会の会員は正会員及び賛助会員とする
(1)本会の目的に賛同するもので、年会費を納めたものを正会員とする
(2)本会の目的に賛同するもので、財政的援助をなしたものを賛助会員とする
- 第6条
- 会員は本会が実施する事業に参加することができ、また本会の編集出版物について無料配布又は優先配布を受けることができる
- 第7条
- 本会の事業を運営するために次の役員等を置く
(1)会長1名
(2)副会長3名以内(内1名全国盲学校長会会長指定)
(3)事務局長1名
(4)指定理事若干名(全国盲学校長会及び理事会推薦)
(5)理事若干名
(6)機関誌編集委員若干名
(7)事務局幹事若干名
(8)会計監査2名
- 第8条
- 会長、副会長(指定副会長は除く)は、正会員の中から候補者案を理事会にて作成し、総会の承認を受けるものとする
- 第9条
- 事務局長は、理事の中から会長が委嘱する
- 第10条
- 指定理事は、各地区の状況等を勘案して理事会にて原案を作成し、総会の承認を受けるものとする
- 第11条
- 理事は、正会員の中から理事会が推薦し、総会の承認を受けるものとする
- 第12条
- 会計監査は、理事会が推薦する。ただし理事及び事務局幹事を兼ねることはできない
- 第13条
- 事務局幹事及び機関誌編集委員は会長が委嘱する
- 第14条
- 会長は本会を代表し事務を統括する。会長に事故あるときは副会長の一人がその職務を代行する
- 第15条
- 理事は、会長、副会長とともに理事会を構成し本会の業務を執行する
- 第16条
- 本会の業務を適正かつ円滑に執行するため、別に定めるところにより運営委員会を置く
- 第17条
- 本会は、毎年、定期総会を開く。会長または理事会において、必要と認めたときは臨時総会を開くことができる
- 第18条
- 総会は、会長が招集し、重要事項の審議決定を行う。ただし、理事会において、必要と認めたときは、その一部または全部を会員からの書面等による賛否の表明をもって、総会に代えて決定することができる
- 第19条
- 機関誌編集委員は会長の委任を受け機関誌の編集刊行に当たる
- 第20条
- 事務局幹事は会長の命を受けて本会の事務を分担・処理する
- 第21条
- 会計監査は本会の会計を監査する
- 第22条
- 指定副会長及び指定理事を除いた役員の任期は3か年とし再任を妨げない
- 第23条
- 本会に名誉会長及び顧問を置くことができる
- 第24条
- 本会は必要に応じて支部を設けることができる
第4章 会計
- 第25条
- 本会の経費は会費、賛助会費、寄付金、補助金等によって支弁する
- 第26条
- 会費は当分の間年額6,000円とし、毎年度当初、すみやかに納入するものとする
- 第27条
- 本会の会計年度は毎年4月1日に始まり翌年3月31日に終わる。決算報告及び予算は総会において審議決定される
第5章 雑則
- 第28条
- 本会の事業及びその運営を明確にするために、別に細則を設けることができる
- 第29条
- 本会の会則の改正は総会において審議決定される
付則
改正会則は、平成6年4月1日から施行する
改正会則は、平成14年4月1日から施行する
改正会則は、平成17年4月1日から施行する
改正会則は、平成18年4月1日から施行する
改正会則は、平成19年4月1日から施行する
改正会則は、平成27年4月1日から施行する
改正会則は、平成30年4月1日から施行する
改正会則は、令和5年4月1日から施行する